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会員:小林 康男 _ KOBAYASHI Yasuo

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コメント/プロフィール

「メガネをはずして眺めてみる」

私は具象画をよく画く。最近は、キャンバスに筆を入れる最初の線描きや基調色を塗っていく時、メガネをはずして画くことが多い。風景を前にして、どの部分を画面に取り込み、どう表現するかといった時に、全体感をつかまえるのに便利である。私の視力は0.0−−のド近眼で視力検査表の一番上も裸眼では見えない。これでも、近くのパレットの絵具や、置いてある筆の色などはよく見えるので、細部やちっちゃいモノを気にしなければ画ける。最終的には結構細かい描写も多いのでその際は近くで観察したり、メガネも使いますが−−−。

構図や、遠近感や完成作品の強さや色調・フォルムの全体の調和その他の多くの大切な要素はメガネなしでも捉えられるし、時にはメガネなしの方がより的確なこともある。特にそれを感じたのが今回関東展に出品した玉虫を画いた時である。

最近、玉虫のようなきれいな光りものの表現に関心がある。光と色とは違うのでそもそも完全描写は無理だとは思うが何とか満足できる表現には挑戦したい。最後は点描になる。至近距離で観察したり、接写カメラで撮ったものをパソコンで拡大して眺めたり−−−この耀きはどこからくるのか、どうしたら表現できるのか、安い金粉や銀粉もテストしたがうまくいかなかった。アトリエの壁に朽木をたてかけて、そこに玉虫の標本をピンでとめて、すぐ横で画いている作品の玉虫とを比較しながら眺めてみた。肝心の光り方が極端に弱い。メガネをはずすと作品の玉虫は見えないくらい。結局小生の点描に限界があるので、白を塗る部分を多くして少しは裸眼で比較しても見える程度に仕上げて筆を置いた。

いま70回展用の130号の「壁」を画いている。コンクリートの質感は、微細な凹凸感・汚れ感その他あるが、メガネをはずしてみてもコンクリートはコンクリートであるべきなのでメガネなしでかなりの部分を進めている。


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