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1画家としての私のアイデンティティ(独自性)の形成には、私の過ごした時代が深く係わっていると思われるので、それにも簡潔に触れながらまず略歴を記しておく。
1932年 3月、大阪府高槻市生まれ。1942年から昼間、戦時児童・学徒動員(無農薬米造り・土木重労働、夜間警防団活動など全期間終戦当日まで皆勤)。51年肺結核罹病、重症に陥る。
1959年 大病全快、体を慣らすためもあり最寄の大学を選択、京都市立美術大学、西洋画科卒業。卒業制作作品は第1席(金賞)が与えられ、同大学買上げ、永久保存
1967年 大阪市内・帝塚山学院高校美術科に教諭として勤務。同校美術の日本一を望み、全日本学生油絵コンクールに指導作品で応募。1970年、同コンクール最優秀賞および最優秀学校賞受賞、引き続き日本一のレベル維持に専念。
1992年 大阪市立美術館および京都市美術館での第52回関西美術文化協会展・特別企画「精神世界を希求する3作家展」に13展の作品を展示
1995年 フランス・パリ市で開催の「世界芸術家精鋭展」に『時を超える』を秋吉和夫氏の推薦で出品。
2003年 大阪市立美術館での第63回関西美術文化展の中で、中谷健三が担当して設けたテーマ『何といっても人間、……そして自分(こんな現代人に住みつかれたら地球は危い)』の特別企画展に5点の油彩作品を展示。
現在 美術文化協会会員・高槻市美術家協会会員・日本美術家連盟会員
物質的満足感に浸っていながら、何か漠然とした不安感を抱いて生きている人間、芥川龍之介を自殺せしめた感情をこの作者は抱きつつ生きているのであろうか。日常世界の"時を超える"とは生と死のはざまを往復してみたいという願望であるかも知れない。その二つの世界の緊張関係を、つまりは現実と願望をある明るさを持って表現したかったのであろう。しかし、描写にも色遣いにもためらいはない。時を超えると題しながら、時を越えられない作者のもどかしさが見る者の共感を呼ぶ。
(文/秋吉 和夫)
○ 第77回出品作品
○ 第76回出品作品
○ 第74回出品作品
○ 第73回出品作品
○ 第72回出品作品
○ 第71回出品作品
○ 第70回出品作品
○ 第69回出品作品
○ 第68回出品作品
○ 第67回出品作品
○ 第66回出品作品